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2025.06.20
京都・宮川町。観光地の華やかさとは少し違う、静かで奥ゆかしい空気が流れる花街(はなまち)の一つです。
花街とは、芸妓や舞妓が芸事を披露する伝統的な歓楽街のことで、古くから日本の伝統文化が息づく場所。喧騒から離れ石畳を踏みしめながら路地を歩くと、時の流れがゆっくりと感じられます。
そんな風情ある町並みを抜け、住宅街へ進んだ先に現れるのが、まるで隠れ家のようなティーサロン「京都紅茶倶楽部」。
厳選されたこだわりの茶葉と、一人ひとりに寄り添うサービスで30年以上愛され続ける紅茶専門店は、この界隈で舞や踊りの稽古に励む舞妓さんたちの憩いの場としても親しまれてきました。
丁寧なサービスを大事にしているという店主の倉重さん
入店すると、店主の倉重洋郎(くらしげ ようろう)さんがにこやかに迎えてくれます。
倉重さんの紅茶との出会いは中学生の頃にさかのぼります。当時、近所に住んでいたイギリス人のご家族に招かれた際、初めて本格的な紅茶を振る舞われたそうです。
そこから紅茶に魅了され、独学で研究を重ねてきた倉重さん。結婚を機に京都に移り住んだ際、紅茶屋さんとのご縁があり、京都・清水(きよみず)で茶葉の卸売業を営むことになりました。
そこでお店を訪れる観光客に、数種類の紅茶とそれに合わせた和菓子を振る舞ったところ、とても喜ばれたそう。その経験が「紅茶を楽しむ時間を丁寧に提供したい。」という想いへとつながり、自宅から近い宮川町で「京都紅茶倶楽部」をオープンすることになりました。
「一人ひとりに合わせた、その人だけのティータイムを作って差し上げたいんです。」と話す、倉重さん。
「オーソドックスな紅茶かフレーバーティーか、はたまたミルクティーか。」「砂糖の量はどのくらいか。」など会話を重ね、好みや気分に寄り添った一杯を提案してくれます。
店内には倉重さんが厳選した世界各国の茶葉に加え、オリジナルブレンドも数多く用意されています。
宮川町の舞妓さんをはじめとする常連客からの「こんな香りがあったらいいな」という声に応え、一つひとつ試行錯誤を重ねて作られてきたそうです。
メイプルがほんのり香るオリジナルブレンド「比叡(ひえ)の森」のミルクティー
完成したオリジナルブレンドは、リクエストをくれたお客さまが名付け親になることもあるとのこと。
「香りを気に入ってもらえたら『ついでに名前をつけてよ。』とお願いすることもあるんです。」と、嬉しそうに話す倉重さん。
舞妓さんが名付けた「白日夢」「いちご一会」、京都らしさを感じる「祇園小町」「昼下がりの三年坂」など魅力的なネーミングばかりで、メニューを眺めているだけでも気分が上がります。
左:「スコーン」 右:オリジナルブレンド「風のささやき」のストレートティー
柚子とブルーベリーの自家製ジャムが添えられた温かいスコーンは、ストレートティーと相性抜群。
オリジナルブレンド「風のささやき」のピーチとペパーミントが香るすっきりとした味わいが、スコーンの優しい甘さとマッチし、ひと口味わうごとに笑みがこぼれます。
好きなティーカップやポットカバーを自分で選ぶことができるのも、「京都紅茶倶楽部」ならではの嬉しいサービスです。
英国風のクラシカルなカップから和の趣を感じる湯呑みまで、棚にはさまざまな器が並びます。
ポットカバーも、レトロな花柄や落ち着いた和柄など、手に取りたくなるデザインばかり。「今日はどんな気分で紅茶を飲もうか?」と、そっと心に問いかけるひとときが、ティータイムをより豊かにしてくれそうです。
「紅茶を湯呑みで飲むなんて邪道かもしれません。でも、ゆっくり楽しんでいただければそれでいいんです。」と、笑う倉重さん。
そのおおらかな人柄が生み出す自由で心地よい空間が、「京都紅茶倶楽部」が長く愛される理由なのかもしれません。
そんな「京都紅茶倶楽部」で人気なのは「忙しい時も美味しい紅茶を楽しみたい。」という、舞妓さんの声から生まれた「紅茶飴」。
こちらはお店で扱う茶葉を丁寧に抽出して作られた飴で、ひと粒味わうだけで豊かな香りと紅茶の風味が口いっぱいに広がります。
舞妓さんの後ろ姿や、ティーセットのイラストが描かれた紙袋に入った紅茶飴は、見た目にも愛らしく、思わず心がときめきます。
さらに茶葉を購入すると、和柄や洋柄など好みの巾着袋に入れてもらえるサービスも。自分用にはもちろん、大切な誰かを思い浮かべながら選ぶお土産としてもぴったりです。
30年以上に渡り訪れる人の声に耳を傾け、寄り添い続けてきた「京都紅茶倶楽部」。香り豊かな紅茶と店主のあたたかな気配りが、旅の疲れをそっとほどいてくれます。
観光の足を休めて、自分を労ったり、誰かと語らいながら過ごしたり。あなただけのティータイムは、きっと京都旅行の思い出に優しい彩りを添えてくれるはずです。
京都紅茶倶楽部
電話:075-551-4856
住所:京都市東山区柿町通大黒町西入ル東川原町508番地
アクセス:京阪線「清水五条駅」より徒歩5分
HP:https://www.kyotokouchaclub.net/
SNS:https://www.instagram.com/kyoto_kocha_club/
*営業時間や定休日についての詳細は、上記のリンク先にてご確認ください。